私がナースを続ける理由 第7話
誰の心の中にも、ずっと大切にしたいストーリーがあります。今の自分を支えるストーリーをご紹介します。
「ありがとう」のキャッチボール
どんなに豊富な知識を積んでも、それらの知識が当てはまらない未知の出来事が起こるのが臨床の現場です。過去の経験をもとに、その時にできるベストを模索し、ケアにあたる日々。「これでよかったのかな」と毎日
自問自答を繰り返すこともしばしばです。だからこそ、患者さんやご家族からいただく「ありがとう」は、自分がやったことは間違っていなかった、と実感できる嬉しい瞬間なのです。「ありがとう」をもらうと、「ありがとう」をあげたくなりますね。体を動かすのも辛いのに頑張って体位変換に協力してくれる姿などを見ると、自然に「ありがとう」という言葉が出てくるんです。看護職とは、患者さんとやり取りしたたくさんの「ありがとう」でできているのだと思います。
