<チームを形成(役割分担を実施)する目的>
口腔ケアチームが、口腔ケアが必要な患者に対して適切なアドバイスを行うことにより、より効果的な病棟口腔ケアを行えるようになり、患者の誤嚥性肺炎の予防や化学療法・放射線治療などの際の口内炎を軽減することが出来る。
<チーム(役割分担)によって得られる効果>
- 口腔ケアを各科病棟に周知することにより、誤嚥性肺炎の発症率の低下、化学療法、放射線療法による口内炎の症状緩和などが得られ、患者の早期回復・離床につながることが期待される。
- 歯科技工士が参画することにより、器具の開発・改良も可能となり、より効果的な口腔ケア法が創出される。
- 研修医、看護師、医学生、看護学生に対しての口腔内ケア教育に有用となる。
<関係する職種とチーム(役割分担)における役割・仕事内容>
- 歯科医師:
- チームリーダーとして、主治医、化学療法専門医、放射線専門医とともに、口腔内の症状を悪化させる医療的要因についての検討をおこない、診断に基づいた口腔ケアの指示をおこなう。
- 主治医:
- 口腔ケアが必要と考える受け持ち患者をチームにコンサルトする。
- 化学療法専門医:
- 抗がん剤による口内炎の治療について助言を行う。
- 放射線専門医:
- 放射線治療による口内炎の治療について助言を行う。
- 歯科衛生士:
- 主治医・歯科医師の指示のもとに、除石などの専門的口腔ケアをおこなう。また、看護師、理学療法士にたいして口腔ケアの方法や評価についての講習会を開催し、口腔ケア技術の向上を図る。
- 歯科技工士:
- 歯科医師・歯科衛生士の口腔ケアの現場からの意見をもとに、口腔ケア用具の改良を図る。
- 理学療法士:
- 摂食嚥下のリハビリの際に、誤嚥となりうる口腔環境についてチェックをすると同時に、医師・歯科医師とともに、誤嚥予防の対策を検討する。
- 薬剤師:
- 口内炎の程度などの情報をもとに、口内炎に対応する薬剤のアドバイスを行う。
<チーム(役割分担)の運営に関する特記事項>
- コンサルトを受けた患者に対して、チームで合同カンファランスをおこない、疾患ごとの対応を協議し、口腔ケアの現況の評価・対応を決定する。
- 患者に身近に接する看護師・理学療法士等に口腔ケアの重要性・方法・評価法についての講習会を実施し、意識向上を図る。
<評価指標(事業成果等の分析)>
チームに対する一年間のコンサルト数、嚥下性肺炎の発症率