<教育プログラムの目的・効果>
期待される効果:メンバーによる業務の標準手順遵守を確保する。
- 教える前に:ヒト毎に訓練予定表を作成でき、対象業務をサブプロセスの繋がりに分解でき(作業分解シート)、業務実施上の急所(注意を要する点、患者・職員の安全を確保する上で重要となる点 等)を適切に表現できる。
- 教える際に:作業場を整備して業務資材を調え、ヒトに業務の仕方を言い、業務をやって見せ、メンバーに業務をやらせてみてその間違いを指摘し、やりながらメンバーに急所を言わせるよう促せる。
- 教えた後に:教えた相手が単独で業務を正しくこなせるまで、フォローする。
<教育プログラムの履修方法及び修了要件>
- 履修方法:チーム医療教育推進室が、ロールプレー主体のオンサイトの研修を企画・調整・実施する。研修終了時、担当講師は人材養成エキスパートの習熟度を評価しフィードバックする(ベーシック講座)。
- 修了要件:TEAMS-BIの講座に参加し、担当講師より修了認定を受ける。
履修期間:ベーシック講座(1日間)、ファシリテーター養成講座(2日間)
<教育プログラムの指導体制>
ファシリテーター養成講座は、日本産業訓練協会認定のTWIマスタートレーナーが担当する。
<教育プログラムの運営に関する特記事項>
TWI は、デミングのPDCAサイクルとCharles Allenの4段階指導法を基に、1940年米国戦時人事委員会(War Manpower Commission)が開発した企業内訓練体系で、1)業務の改善の仕方、2)仕事の教え方、3)ヒトの扱い方 で構成する(後年、日本産業訓練協会において 4)安全な作業の仕方 を開発・実施)。45年までの5年間、米国での受講は300万人規模に及び、徴兵され工員の減少した工場生産の質を維持・向上する要として機能した。GHQは、復興支援目的でTWIを日本に導入し、1955年以後日本産業訓練協会のTWIマスタートレーナーは250万人以上のトレーナーを日本産業界に輩出している。トヨタ自動車は社員教育の礎にTWIを置く企業として世界に知られる。近年、トヨタウェイ導入に熱心な米国医療界の一部は、TWI Instituteの支援を得て病院運営改善にTWIを利用し始めた(例:Virginia Mason Medical Center、シアトル)。この中のTWI-JIを筑波大学附属病院において医療用に再開発したのが、TEAMS-BIである。筑波大学附属病院は、日本産業訓練協会の協力を得て下記を実施・完了する(協力については、既に合意済み)。
- TEAMS-BI講座マニュアルの作成
<教育プログラムの新規登録者数等の目標人数>
人材養成エキスパート(単年度当たり9人程度)
<評価指標(事業成果等の分析)>
人材養成エキスパート力量の評価指標は、TEAMS訓練体系自体にはない。人材養成エキスパートの態度能力(責任を果す、協力する、集中する、変革する、情熱を持つ、方針を守る、成長を促す、良心に従う 等)を、無記名WEB入力法を介し、チーム医療教育推進室員、同僚エキスパート、エキスパートがトレーニングを提供する医療チーム、および所属するプロセス管理委員会メンバー等(最低10名)による360度評価を定期的に(少なくとも年1回)実施する。