<チームを形成(役割分担を実施)する目的>
病床機能分化が推進され、本院には特定機能病院として急性期の患者の診療を中心に行うことが求められている。このような背景から、患者の疾病は重症かつ重複しており、在宅での療養が困難な患者が増加している。高度医療を必要とする患者にも在宅医療を円滑に導入するために、退院支援・在宅患者等支援チームを設置し、入院初期から多専門職種が連携してその問題に対処する。また、あわせて地域医療従事者とカンファレンス等を開催することによって、顔の見える、密な連携を構築する。
<チーム(役割分担)によって得られる効果>
退院にあたって、在宅医療の導入が必要な患者をスクリーニングを通じて同定し、早期から多職種で退院支援を行うことで、患者家族のQOL向上が期待できる。あわせて、主治医や受け持ち看護師の負担軽減、病院機能分化、在院日数の低下などの可能性がある。
<関係する職種とチーム(役割分担)における役割・仕事内容>
- 医 師:
- [1]患者への地域医療機関の詳細な情報の説明、[2]診療所医師等への医療技術に関する情報交換、学習会の実施
- 看護師:
- [1]患者への在宅療養支援 [2]紹介先の看護師への情報提供 [3]在宅療養に関する患者・地域住民への教育
- 社会福祉士:
- [1]患者の経済的問題に関する支援・調整 [2]地域医療機関や介護福祉施設への情報提供 [3]患者への医療機関等の情報提供 ④在宅療養に関する患者・地域住民への教育支援
- 事 務:
- [1]各情報の電子システム化 [2]医師等への地域医療機関の情報支援 [3]各職種の情報交換等を行う講演会や懇親会の開催
<チーム(役割分担)の運営に関する特記事項>
- 病院方針の決定:(退院・在宅患者等支援チーム運営会議)
神経内科、脳外科、呼吸器内科緩和ケアグループ等、の医師、退院支援看護師、社会福祉士、医事課職員、リハビリスタッフ等でチームを形成する。在宅で生活する患者・家族支援の基本的考え方・価値観の共通認識を職員で共有した上で、各職種の機能と役割を発揮した院内のチーム医療・連携協働意識を持つことで、病院と地域との連携システムを病院として構築する。 - 病院職員が地域医療連携の知識を獲得するための講座である「地域連携講座」を年1回開催する。
- 医師、看護師、社会福祉士、事務間の情報共有のための院内カンファレンスを年3回程度開催する。
- 地域周辺医療機関に対して、高度在宅療養支援に関するケースカンファレンス、勉強会を年2回程度実施する。
<評価指標(事業成果等の分析)>
退院支援スクリーニング実施率、ソーシャルワーカー介入率、平均在院日数、地域医療機関へのアンケート調査、地域における緩和ケア専門家の連携尺度